相模原市の子宮がん検診
子宮頚がんとは
子宮頸部とは、子宮の入口の部分のことで、ここに出来るがんが子宮頸がんです。子宮頸がんの原因は、ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによるものです。HPVは、自然界に普通に存在するウイルスで、性交渉によって感染します。
感染しても9割の人は免疫によって自然に排除しますが、残り1割の人は持続感染してしまいます。子宮頸部で持続感染を起こすと、上皮内に異形成と呼ばれる前がん病変が発生し、やがて子宮頸がんへと変わっていきます。
検査によってこの異形成を初期のうちに発見しておくことが大切です。異形成は発見されても直ちに治療が必要なものではありません。しかし、進行の段階があり高度異形成になると、がん化のおそれが高いため、子宮頸部を円錐形にくりぬいて異形成部分を切り取る円錐切除という手術を行うことになります。
これによってほぼ100%の異形成を根治できますので、がん化を防ぐことができます。子宮頸がんは早期のうちに発見できれば、それほど大がかりな治療をしなくても、進行させることなく治療が可能になっています。またHPVワクチンはHPVの感染を食い止め、また感染しても持続感染を起こさないため有効です。
このワクチン接種は2013年4月に定期接種化されましたが、接種後の様々な症状の訴えが報告され、市町村による積極的な推奨が差し控えられていました。しかし、専門家による調査と継続的な議論の後、2021年11月に差し控えの終了が決定し、2022年4月以降個別の勧奨も開始されました。子宮頸がん検診とともにHPVワクチンの接種も検討しましょう。
当院ではガーダシルとシルガード9の2種類をご用意しております。子宮頸がんワクチンの正しい情報は以下のリンクからご覧ください。
子宮がん検診について
当院でも、相模原市の実施する子宮がん検診を受けて頂くことが可能です。また、年に1度の受診をお勧めしています。相模原市以外にお住いの方は医師にご相談下さい。なお、不正性器出血や月経異常といった症状のある方については、健康保険適用の診療による検査となります。
相模原市の子宮がん検診は、子宮頸がんのみの検査と子宮頸がん+子宮体がんの検査に分かれています。子宮体がん検査は不正性器出血、月経異常、褐色帯下(かっしょくのおりもの)などの症状があり医師が必要と判断した場合に実施します。また、内診だけでは、骨盤の深さ、肥満度によっては皮下脂肪の厚さなども影響して、子宮や卵巣の小さな変化を指摘することはできません。相模原市の子宮がん検診には超音波検査は含まれていません。
内診でわかる範囲で所見をお伝えすることになります。がん検診は主にがんがあるかないかを調べる検査です。何センチの子宮筋腫がいくつ、どこにあるのか、卵巣嚢腫や子宮内膜ポリープの有無など、超音波検査をしてはじめて詳しいお話ができます。気になる症状がある方は、診察前に必ず医師にご相談下さい。
子宮頸部細胞診
膣鏡という子宮頸部を見やすくする器具を使用し、専用の器具で子宮の入り口の細胞を採集します。
検査の後、2~3日おりものに出血が混ざることがありますが、心配ありません。
婦人科内診
医師がゴム手袋をした上で膣内に指を入れて、腹部から手で押さえながら子宮の大きさや卵巣の状態を触診で観察します。
経膣超音波検査
膣から細長い超音波検査の器械を挿入し、超音波の戻り具合によって子宮・卵巣の状態を画像検査します。小さな病変や腫れも発見出来る検査です。原則、市の検診の内容には含まれません。
内診時明らかに子宮や卵巣が大きいことが予想された場合、追加の超音波検査をお勧めする場合があります。
子宮体がんの検査
(子宮内膜細胞診)
子宮の内部に細い専用器具を挿入し、子宮内膜の細胞を採集する検査です。ちょっとした痛みが出る場合もありますが、個人の条件によって様々です。年齢とともに子宮が委縮したり、子宮の入り口が狭くなったり、塞がってしまう方、あるいはもともと入り口が硬かったり狭い方もいます。
子宮の傾き具合で子宮体部の細胞診ができない(器具が奥まで挿入できない)方もいます。無理にしようとすると子宮を傷づけてしまうこともあるので、検査が可能かどうかの判断は医師にお任せください。検査の後、しばらく鈍い痛みがあったり、少量の出血が続くことがありますが、概ね心配ありません。
子宮がん検診の注意事項
生理中は受診をご遠慮ください。妊娠中の方、または妊娠している可能性のある方、性交渉経験の無い方は医師にご相談ください。子宮体がんの検診は医師の判断があれば実施します。
結果について
2週間程度で検査結果が出ます。相模原市子宮がん検診の結果は郵送で送らせて頂くことができます。検査終了後お会計時に受付で対応させて頂きます。
※保険診療で行った子宮がん検査の結果は郵送での報告ができません。必ず再診してください。
相模原市子宮がん検診の
対象者と費用
健診種目 | 対象者 (女性) |
内容 | 料金 |
---|---|---|---|
子宮がん検診(頸部) | 20歳以上 | 問診、視診、内診、頸部細胞診を行います。 | 1,700円 |
子宮がん検診 (頸部+体部) |
20歳以上 | 問診、視診、内診、頸部細胞診、子宮内膜細胞診を行います。 ※子宮内膜細胞診は、症状がある方の場合に医師の判断により実施します。 |
2,200円 |
子宮がん検診の二次検査(精密検査)について
検査の結果、要精密検査(二次検査)となった方は当院でも、二次検査としてHPV検査、コルポスコープ下組織診を実施しておりますので、必ず精密検査にご来院ください。コルポスコープは膣内を拡大して診ることが出来る装置で、子宮の入り口を精査し、疑わしい細胞のサンプルを採集し病理検査を行います。これらの検査は保険で行います。結果の郵送はできません。必ず再診して下さい。
※コルポスコープ下組織診は予約検査となります。ご都合が合わない場合は、他の医療機関での精査をご案内致します。
※他院でがん検診を受けられた方の精密検査はお受けしておりません。
コルポスコープ下組織診検査時の注意点
予約日に、生理中は避けてご来院ください。組織診は子宮の一部を摘んで組織を採集しますので、出血がおこります。当日は生理用ナプキンをご用意の上、白い洋服を避けてご来院ください。また当日の夜は予定を避けて静かにお過ごしください。
相模原市の乳がん検診
乳がん検診(視触診単独)
30歳以上の女性が対象で、問診、視診、触診を行います。費用は700円(予約不要)です。なお、40歳以上の方は原則として「視触診+マンモグラフィ」の検査を2年に1回受診して頂きます。
乳がん検診
(視触診+マンモグラフィ)
40歳以上の女性が対象で、問診、視診、触診に加えてマンモグラフィによる乳房X線画像検査を行います。
受診は2年に1回で費用は2,000円です。必ず電話予約の上受診してください。
乳がん検診の注意事項
妊娠中、妊娠の可能性のある方、授乳中の乳腺が張ってしまう期間、生理前1週間から生理終了までの方は受診できません。 また前年度視触診+マンモグラフィ検査を受けた方は、次年度は受診できません。視触診検査を受けてください。
また、マンモグラフィ検査は乳房を平たく押し伸ばした形で撮影を行いますので、豊胸術、ペースメーカー、V-Pシャント(水頭症手術)などの手術歴のある方は、マンモグラフィ撮影時に挿入物の破損などの危険が伴う恐れがあるため、かかりつけ医にて検査を受けて頂くようお願い致します。
検診受診の段階で判明した場合には、検査をお断りする場合もございますのでご了承下さい。新型コロナワクチン接種後に接種した側の脇の下や首などのリンパ節がはれることがあります。
複数回接種後の反応については今後の報告が待たれるところですが、乳がん検診を受診される場合は、接種後から6~10週間の感覚をおいてから受診頂くことをお勧めします。