過多月経

過多月経とは

月経時の出血量が多い状態を過多月経と言います。個人差はありますが、一般的な日本女性の経血量は20から140mLの間とされています。
そのため、140mLより多い状態が過多月経とされています。
これはあくまでも診断の目安で、一般的には、普通用のナプキンを1時間程度で交換しなければならない程の出血、昼間でも夜用のナプキンをしなければ間に合わない、経血にレバーのような茶色っぽい塊が混ざるなどの症状があれば過多月経と判断します。 合併する症状として貧血が起こります。この貧血により過多月経と分かる方もいるほど、ご自身では判断しにくのが特徴です。
薬を飲んで一時的に貧血が治まったとしても、過多月経の症状が続く限り、また貧血も起こりますので、婦人科を受診してしっかりと治療しましょう。

過多月経の検査

超音波検査で過多月経の原因となる疾患の有無を確認します。
さらに、採血によって貧血の有無、どの程度なのかを確認します。最近は食生活の乱れから鉄欠乏性貧血になっている方を多く見掛けます。日頃からバランスの取れた食生活も心がけましょう。

過多月経の治療

検査によって原因疾患が見つかった場合は、その治療を行うことで過多月経も治っていきます。
特に原因疾患が無く、ホルモン異常や原因がはっきりしない場合は、ホルモン薬の服用、またはミレーナという子宮内避妊器具による治療をお勧めしています。

過多月経とミレーナ

子宮内部に、持続的に黄体ホルモンを放出するT型の器具を挿入する治療法です。本来は避妊具として開発されたものですが、長期間に渡って少しずつ黄体ホルモンを供給し続けるため、月経痛の緩和や過多月経、過少月経などの正常化・緩和にも効果があることが分かっています。
挿入すると5年程度は効果が持続するとされ、ピルと異なり飲み忘れが無いため治療効果も高くなります。
ただし、子宮の形態によって挿入出来ないケースもあります。ミレーナ挿入は事前に感染症検査を確認の上、月経周期の中で挿入に適した時期をご案内しています。挿入には予約が必要ですので、まずは医師にご相談ください。

過多月経と低用量ピル

低用量ピルは、多くがOC(経口避妊薬)として使われますが、排卵が止まることで、過多月経だけではなく、月経前症候群(PMS)や月経困難症などにも治療効果が認められています。
治療薬として使用する場合はOCではなくLEPと呼ばれる薬剤を使用することになります。
服用により、月経周期が整うことも知られています。

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